残業を減らしたいなら、AIより先に「1週間の作業ログ」をとる理由とやり方

残業を減らしたいなら、AIより先に1週間の作業ログをとる、と書かれたタイトル画像 仕事術

ChatGPTを仕事で試してみたけれど、残業はほとんど減っていない。そんな状態なら、AIの使い方を調べる前に、確認したいことがあります。自分の1週間が、何にどれだけ使われているかです。

結論から言うと、AIを入れる前に、1週間だけ作業ログをとってください。ログから「やめる」「減らす」「仕組みにする」を決めて、仕組みにする部分にだけAIを使います。そうすると、効果が数字で確認できます。

この記事では、ログのとり方、仕分けの3つの判断軸、AIに任せる順番を説明します。

先に結論:最初の1週間はAIを使わず、ログだけとる

やることは単純です。1週間、30分以上かかった作業を1行ずつ記録します。AIの導入は、その後です。

理由は2つあります。

1つ目は、不要な作業をAIで速くしても、残業は減らないからです。たとえば、誰も読んでいない定例資料の作成を30分短縮しても、資料を作っているという事実は変わりません。先に手をつけるのは、作業そのものを減らせるかどうかです。

2つ目は、導入前の数字がないと、導入後に効果を測れないからです。「なんとなく楽になった気がする」では、続けるかやめるかを決められません。

作業ログのとり方

ルールは3つだけです。

  1. 30分以上かかった作業だけ記録する。5分のメール返信までは拾わない。
  2. 終業前にまとめて思い出さず、作業が終わったその場で1行書く。
  3. 記録する項目は5つに絞る。

記録する5項目は次のとおりです。

  • 作業名
  • かかった時間
  • 週に何回あるか
  • 手順は決まっているか(はい/いいえ)
  • 自分でないとできないか(はい/いいえ)

記録のイメージを下の図にしました。数字は説明用の例で、実際の記録ではありません。メモは、スマホのメモアプリでもExcelでも、続けやすいものでかまいません。

作業名、かかった時間、週の回数、手順は決まっているか、自分でないとできないかを記録する表のひな形。週報の作成60分、会議の議事録まとめ40分、顧客への提案内容の検討90分、進捗確認の資料づくり45分の例入り。数字は説明用の例

仕分けの3つの判断軸

1週間たまったら、1行ずつ次の3つの軸で見ます。

  • 軸1:週に何回あるか(回数が多いほど、減らしたときの効果が大きい)
  • 軸2:手順は決まっているか(決まっているほど、テンプレートやAIに任せやすい)
  • 軸3:自分でないとできないか(できない作業は、人が判断する部分を残す)

この3軸で、作業を4つに分けます。

作業を、やめる、減らす、仕組みにする、残すの4つに分ける図。やめるは読む人がいない作業、減らすは頻度を下げられる作業、仕組みにするは回数が多く手順が決まっている作業、残すは判断が必要で自分にしかできない作業
  • やめる:読む人がいない、目的が説明できない作業。上司に「これ、まだ必要ですか」と聞いてみる価値があります。
  • 減らす:頻度を下げる、まとめて1回にする、報告先を減らす、といった方法で量を減らせる作業。
  • 仕組みにする:回数が多く、手順が決まっている作業。テンプレートやAIの出番です。
  • 残す:判断が必要で、自分にしかできない作業。ここは時間をかけてよい部分です。

先ほどの例なら、週報と議事録は「仕組みにする」、顧客への提案検討は「残す」、進捗確認の資料は「減らす」ことを先輩に相談する、という流れになります。

AIに任せる順番

「仕組みにする」に分けた作業は、次の順に試すと失敗が少なくなります。

文章の下書き(週報、メール)

入力する材料がはっきりしているので、出力の良し悪しを判断しやすい作業です。週報の具体的な作り方は、ChatGPTで週報を自動作成する方法にまとめています。

要約と議事録

元の会議や資料があり、あとから内容を確認できます。議事録のツールは、AI議事録自動作成ツール3選で比較しています。

タスクの整理

ログがたまってから、やることを並べ替える段階で使います。アプリ選びは、タスク管理アプリの記事を参考にしてください。

注意点が1つあります。社外秘の情報や個人情報を、AIにそのまま入力しないでください。会社にAI利用のルールがある場合は、先に確認します。ルールがはっきりしないなら、固有名詞や数字を伏せた形で試すのが安全です。

この記事の手順について

運営者のタケダは、月70時間を超えていた残業を、1年ほどで月5時間まで減らしました。ただし、この記事の手順は、運営者自身の作業記録をもとにしたものではありません。一般的な業務改善の考え方を、誰でも試せる形にまとめたものです。

図の数字も、すべて説明用の例です。この手順を実際に試した結果は、数字がそろった時点でこのページに追記します。

向かないケースと注意点

この方法は、全員に合うわけではありません。

  • ログをとる手間が負担になる:項目を「作業名」「かかった時間」の2つに減らして始めてください。
  • 月1回の作業が見えない:1週間では、月次の締め作業などが入りません。月末の週にもう一度とると、見落としが減ります。
  • 組織の都合で決まった作業は減らせない:上司やチームの合意が要る作業は、自分だけでは変えられません。そこは相談する前提で考えます。

よくある質問

Q. ログは1週間で足りますか。

週単位の作業なら足ります。月次の作業を含めたいときは、月末の週にもう1回とってください。

Q. 忙しくて、ログをとる余裕がありません。

「30分以上の作業だけ」「作業名と時間だけ」に減らしてかまいません。1週間続かなければ、3日でも傾向は見えます。

Q. AIに任せる作業が見つからなかったら?

見つからなくても失敗ではありません。「やめる」「減らす」で時間が空くなら、それだけで残業は減らせます。

まとめ:今週やること

  1. 今日から1週間、30分以上かかった作業を1行ずつ記録する。
  2. 週末に、3つの軸で「やめる/減らす/仕組みにする/残す」に分ける。
  3. 「仕組みにする」から1つだけ選び、AIかテンプレートを試して、前後の時間を比べる。

AIは、時間の使い方が見えてから使うと、効果を確かめやすくなります。まずは今日の1行目を書くところから始めてください。

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